求める良質な食材は、鹿児島にある…関東のバイヤー4人が湧水、指宿へ 有機農業、養鶏視察「面白い取り組みできれば」 

 2023/03/05 21:30
自家製の牛乳で作ったモッツァレラチーズを試食するバイヤー=湧水町木場の西の村ファーム
自家製の牛乳で作ったモッツァレラチーズを試食するバイヤー=湧水町木場の西の村ファーム
 関東のバイヤーらが1日から、鹿児島県内で有機農業に取り組む農家などを視察した。2泊3日の日程で湧水町の養鶏農家や指宿市のかつお節工場などを巡り、生産者のこだわりや食に込める思いを語り合った。

 訪れたのは有機野菜などを使った商品開発に取り組む「オーガニックラビット」のメンバー4人。日本の食文化や食のあり方を見直そうと、関東の小売業者ら8社で今年1月に結成したばかりだ。今後、地方で有機農業に取り組む農家などと協力して、新商品の開発を進め、それぞれの持つ販路で販売していく考え。

 昨年11月に福岡であった展示会で、湧水町で有機農業に取り組む竹野愛さん(53)と、放し飼いによる養鶏を追求する福重智寛さん(35)に出会ったことから、視察第1弾に鹿児島を選んだ。

 同町木場で酪農と乳製品の製造に取り組む「西の村ファーム」では、作りたてのモッツァレラチーズを試食。代表の西ノ村高志さん(36)から乳牛を育てる苦労や生産へのこだわりなど聞いた。

 同町北方の農畜産物開発加工センターでは竹野さんがメンバーにみそ造りを指導。「生産者にしっかり向き合ってくれた。全国の人にこだわりの商品を届けるチャンスと思って、取り組みたい」

 オーガニックラビットの猪瀬智也さん(49)は「調味料からこだわった商品を作り、量販店では買えない、質のいいものを流通させたい。鹿児島の食を使って面白い取り組みができれば」と話した。