外国クルーズ船のコロナ集団感染対策は? 9日、鹿児島寄港3年ぶり再開 船会社「船内隔離は機能する」地元の不安払拭に自信

 2023/03/07 11:47
海外クルーズ船の再開に向けてインバウンド客の動向を学ぶ講演会=2月、鹿児島市
海外クルーズ船の再開に向けてインバウンド客の動向を学ぶ講演会=2月、鹿児島市
 外国の船会社による鹿児島県へのクルーズ船寄港が9日、再開する。新型コロナウイルスの影響で2020年1月を最後に途絶え、約3年ぶりとなる。関係者による感染症対策や受け入れ準備が進む一方、交通渋滞や二次交通の対策は道半ばだ。再開に向けて動く船会社や県内の現状を報告する。

 鹿児島にも寄港した船で発生した集団感染によって、クルーズ船に対する不安が広がってから3年。関係機関は再発防止のため、対策に力を入れてきた。

 国際クルーズ船を所有・運航する8社などでつくる日本国際クルーズ協議会(JICC)は22年11月、コロナ対応のガイドラインをまとめた。「船内に持ち込まない」「船内で広めない」が柱。事務局によると、乗船前のPCR検査や船医の配置など医療体制を強化した。5類に移行しても、対応に大きな変化はないとしている。

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 各社は寄港する自治体への負担をできるだけ減らす対策を取る。ただ、船内で陽性者が発生し、重症化が見込まれると船医が判断すれば、寄港地での療養となる可能性がある。

 鹿児島県はこれまで医療機関や保健所、CIQ(税関、出入国管理、検疫)などと話し合い、コロナ発生届の手順や連絡・搬送体制を確認してきた。

 3月下旬から県内に寄港する仏船会社「ポナン」は、22年10〜12月に海外で168本を運航。乗員・乗客約2万7000人のうち、陽性者は162人、重症化を懸念して病院に搬送されたのは2人だった。

 同社は、船内での隔離は十分に機能するとしており、伊知地亮日本・韓国支社長は「寄港地の住民の方々の不安を払拭(ふっしょく)できるような実態を見せたい」と自信をのぞかせる。

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 地元では経済効果に期待した準備が進む。2月中旬、寄港再開を見据えて鹿児島市であったのは「商店街のインバウンド戦略」の講演。誘致戦略に詳しい講師が買い物需要を取り込む重要性を訴えると、観光や商店街の関係者らが熱心に聞き入った。

 同市の宇宿商店街はクルーズ船が寄港したマリンポートで、乗客にチラシを配布する準備を進めている。マリンポートから約2キロの距離にある商店街に足を運んでもらおうと、道順や飲食店などを3カ国語で紹介している。

 JRや市電を使った市街地へのアクセスのよさも商店街の売りだ。河井達志理事長は「コロナ禍でも個性的なラーメン店など多くの飲食店ができて活気が出ている」。外国人にも楽しんでもらえると期待する。