新型ロケット「H3」打ち上げ 種子島宇宙センター

 2023/03/07 10:37
射点で打ち上げを待つH3ロケット1号機=7日午前7時46分、南種子町の種子島宇宙センター
射点で打ち上げを待つH3ロケット1号機=7日午前7時46分、南種子町の種子島宇宙センター
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日午前10時37分、新型基幹ロケット「H3」1号機を鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。地球観測衛星「だいち3号」を搭載。大型機の刷新は、2001年のH2A投入から約20年ぶり、1994年のH2投入からは約30年ぶり。

 H3は現在運用中のH2Aロケットの後継機で、使い捨て型の液体燃料ロケット。H2Aと比べて推力を1.4倍に向上させ、静止軌道に6.5トン以上の衛星を投入できる。低価格化を進め、打ち上げ費用は半額となる約50億円を目指す。将来的に年間6機の運用を見込んでいる。

 1号機は全長57メートル、直径5.2メートル、重さ422トン(衛星含まず)。新開発のメインエンジン「LE9」を2基、固体ロケットブースター2基を使用した。だいち3号は主に被災地把握や火山監視に役立てる光学衛星で、新たに藻場の分布状況調査などにも利用する。

 当初2020年度の打ち上げを見込んでいたが、LE9の不具合が相次ぎ、2度見直し。22年10月のイプシロン6号機の失敗を受けて、機体の姿勢制御装置の部品も一部変更した。23年2月の打ち上げが決まった後も、悪天候や飛行計画更新システムに不具合で延期が相次いだ。同17日は発射直前に電源系統で異常が検知され、自動停止した。