家畜保健衛生所の移転「来秋ごろ」 加治木から牧園へ 一部住民が反対運動も… 県「丁寧に説明し理解求める」

 2023/03/09 09:55
建設予定地に立てられた建設反対の看板=1月31日、霧島市牧園町高千穂
建設予定地に立てられた建設反対の看板=1月31日、霧島市牧園町高千穂
 鹿児島県議会3月定例会は8日、予算特別委員会を開き、総括予算審査をした。農政部は姶良家畜保健衛生所(姶良市加治木)の霧島市牧園への移転時期が来年秋ごろと明らかにした。牧園側の一部住民の反対運動を巡り、松薗英昭部長は「理解してもらえるよう丁寧に説明する」と述べた。

 農政部によると、移転は1967年に整備された現庁舎が老朽化したことなどに伴う。建設予定地は元市有地で、約1万平方メートル。検査機能の強化や防疫資材倉庫の整備が可能で、管内の全ての農場に2時間以内に到着できるとして選定した。9月に着工、来年夏ごろ完成する見込み。

 移転計画について、牧園側では悪臭や観光への影響を懸念する住民が反対運動を展開。移転先の選び直しや県と霧島市による土地売買契約の撤回を求めている。

 家畜保健衛生所は支所や駐在所を含め県内に13カ所ある。畜産課は取材に「食肉解体場のような場所ではなく、家畜の焼却は月に1、2回ほど。ほかの保健衛生所周辺で苦情などは来ていない」と説明。「現在の予定地に整備する方向で、住民に丁寧に説明し理解を求める」としている。

 一方、総務部は未利用財産有効活用の一環で、2023年度に鹿児島市の旧緑ケ丘教職員住宅の売却を検討すると報告した。