長崎原爆で犠牲の少女しのぶ「嘉代子桜」 平和への思い込め苗木2本植樹 鹿児島市・清和小

 2023/03/09 12:22
「嘉代子桜」の苗木に土をかぶせる清和小学校の児童=鹿児島市清和3丁目の清和小学校
「嘉代子桜」の苗木に土をかぶせる清和小学校の児童=鹿児島市清和3丁目の清和小学校
 長崎原爆で亡くなった林嘉代子さん=当時(15)=をしのぶ「嘉代子桜」の苗木2本が、鹿児島市清和3丁目の清和小学校正門横に植えられた。植樹式では、児童代表の6年生5人がスコップで高さ約1.2メートルの苗木に土をかけながら、平和への思いを新たにした。

 嘉代子桜は、爆心地に近い長崎市の城山小学校(当時国民学校)に学徒報国隊員として動員され、被爆死した林さんを慰霊するため、母親の津江さんが1949年、同校に寄贈したソメイヨシノ。現在は6本が残っている。

 清和小への植樹は、子どもたちに平和について考えてもらおうと、同校PTAが主導。全国に嘉代子桜を広める活動を続ける「日本非核宣言自治体協議会」(事務局・長崎市)から苗木が配布され、2月28日に植樹された。

 阿久井凛那さんは「大切に育てることで平和への関心をより高めたい」、新福健太君は「戦争で亡くなった人を忘れず、桜に込められた願いを受け継ぎたい」と話した。

 狩集淳校長は「子どもたちに嘉代子桜を通じ、命の尊さ、戦争の悲惨さについて学んでほしい」と話した。