マスク着用、13日からは大半の施設が「個人判断で」 新型コロナ・鹿児島

 2023/03/10 11:00
マスク着用の協力を求めるポスター。12日まで張る予定=9日、鹿児島市のマルヤガーデンズ
マスク着用の協力を求めるポスター。12日まで張る予定=9日、鹿児島市のマルヤガーデンズ
 新型コロナウイルス感染対策のマスク着用が13日から個人の判断に委ねられる。鹿児島県内でも人が集まる店舗や施設の多くは利用者への着用呼びかけをやめる方針だ。ただ、国の指針は事業者が感染対策を理由に、利用者らに着用を求めることを許容しており一部施設は引き続き着用を求める。県は医療機関や高齢者施設の訪問時などは着用を推奨している。

 県内の電車、バス、フェリーの各交通機関は13日から原則、乗客への着用呼びかけをしなくなる一方、混雑時などは引き続き求める事業者もある。一部のバスは運転席後ろの座席制限を解除する。

 鹿児島銀行は来店客に着用を求めることはしないが、行員は感染防止のため5月8日まで着用予定。商業施設ではアミュプラザ鹿児島、マルヤガーデンズ、山形屋のいずれも着用を求めず、体温測定や手指消毒、従業員の着用は続ける施設もある。飲食店も同様で、吹上庵などを運営するフェニックスの堂下博司会長は「お客さんもすっきりするのでは。安心して過ごしてもらいたい」。

 県指定自動車教習所協会は各教習所の判断に委ねる方針。ガイドラインでは原則利用者判断だが、実技中の車内や高齢者講習では着用を推奨している。県遊技業協同組合によると、来店客は任意になるが、従業員は3月末まで着用方針。

 県庁は来庁者に着用を求めないが、エレベーター内やトイレに感染症対策を呼びかけるチラシ掲示を続ける。県議会は傍聴人には求めず、議員と執行部は最終本会議(17日)まで着用する。裁判所は最高裁の方針に基づき、個人の判断に委ねる。

 美術館はおおむね求めない。ただ、児玉美術館(鹿児島市)は「館内イベントで大人数が集まる時は着用を促す張り紙を掲示する」。

 県保健体育課によると、白波スタジアムや平和リース球場、県体育館は個人の判断だが、個別の大会については主催者が判断する見通し。サッカーJ3・鹿児島ユナイテッドFCの試合はJリーグのガイドラインに沿って個人判断となる。県高野連は原則着用を求めないが、声を出して応援する場合は求める。

 一方で、バスケットボールB3・鹿児島レブナイズはBリーグの指針に従い、今季中は引き続き来場者へ屋内での着用を求める。

 県立、県立奄美の両図書館は13日以降、「可能な範囲で着用にご協力を」との張り紙を掲示する予定。「新聞を閲覧台で読むときや書架で本を探すときなど利用者間の距離が保てない場合があり、高齢者の利用も多いため」としている。着用していない人への職員の声かけはしない。

 ライブハウスのキャパルボホール(鹿児島市)は運営するSRファクトリーが当面の間、着用を求める。ライブが盛り上がったとき、声援が起きるのを止められないことなどが理由。県興行生活衛生同業組合によると、映画館では求めない方針。発声を伴う応援上映は着用を条件に実施する。

 県は新しい国の指針に基づき、医療機関を受診するとき、高齢者施設を訪問するとき、混雑した電車・バスに乗るときなどマスク着用が推奨される場面をホームページで示している。

 学校については4月1日から基本的に着用を求めないことを基本とし、3月31日までは卒業式を除き従来通りメリハリのある着用を求めている。

【利用者に求めない】県庁、県議会(傍聴人)、鹿児島地裁、鹿児島銀行、山形屋、アミュプラザ鹿児島、マルヤガーデンズ、かごっまふるさと屋台村、黎明館、平川動物公園、かごしま水族館、鹿児島市立美術館、宝山ホール、鹿児島ミッテ10、鹿児島ユナイテッドの試合、白波スタジアム(大会の場合、主催者判断)、平和リース球場(同)、県体育館(同)、田中一村記念美術館、霧島アートの森、長島美術館、三宅美術館、児玉美術館

【求める】県立図書館、県立奄美図書館、鹿児島レブナイズの試合、キャパルボホール

【各事業者判断】県タクシー協会、県指定自動車教習所協会

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