明治末期製造の路面電車「花2号」、無償譲渡へ(運搬費用は自己負担) 鹿児島市交通局が活用計画募集

 2023/03/10 09:00
譲渡先を募集している「花2号」=鹿児島市交通局(同局提供)
譲渡先を募集している「花2号」=鹿児島市交通局(同局提供)
 鹿児島市交通局は、老朽化のため2020年に引退した花電車「花2号」を無償で譲る。明治末期に製造され100年余り、おはら祭のPRには40年以上使われた。展示するなど長期間にわたり有効活用できる個人や法人を募集している。

 1911(明治44)年製で、市交通局が79(昭和54)年に福岡市の西日本鉄道から購入した。おはら祭の時期には、電球と造花で華やかに飾り、市民を楽しませた。

 同じく11年製で2002年に引退した「花1号」は交通局敷地内での保存が難しかったことに加え、既に製造されていない部品を2号に転用する必要があり、13年に解体された。2号については、貴重な車両を後世に残そうと検討委員会で活用方法を協議してきた。

 車体は全長10メートル、幅2.3メートル、高さ4.1メートル、重さ約6トン。交通局内にある市電で唯一、四輪の単車構造(二軸車)。貨物車仕様のため屋根や側面部分はない。花電車の装飾や、制御器などの部品は全て取り外し、運転できない状態で譲渡する。転売や外観を大きく変える改造はできず、運搬費用は自費負担となる。

 専用の応募用紙に活用法や運搬計画などを記入し、メールdensya-sya@city.kagoshima.lg.jpで申請する。締め切りは15日午後5時。選考結果は3月下旬から4月上旬に発表する。問い合わせは電車事業課=099(257)2114。