「待ち遠しかった」 マリンポートに3年ぶりの外国クルーズ船 おもてなしボランティアは熱烈歓迎

 2023/03/10 08:00
マリンポートかごしまに接岸する国際クルーズ船「セブンシーズエクスプローラー」=9日午前11時50分、鹿児島市
マリンポートかごしまに接岸する国際クルーズ船「セブンシーズエクスプローラー」=9日午前11時50分、鹿児島市
 外国クルーズ船が3年2カ月ぶりに寄港した9日のマリンポートかごしま(鹿児島市)では、多くの関係者が出迎えた。ボランティアの「おもてなし隊」による歓迎に外国人客が笑顔で応じ、新型コロナウイルス禍でにぎわいを失っていた鹿児島の海の玄関口は久々の国際交流に活気を取り戻した。

 「ハロー、ウエルカム」。おもてなし隊が手に持った多くの国旗を振って呼びかけると、乗客らは顔をほころばせた。9年前から訪れる薩摩川内市の東良文さん(79)は「3年ぶりに入港するこの瞬間が待ち遠しかった」。これまで400回以上出迎えた鹿児島市魚見町の四元博美さん(72)は「船を見るのが本当に楽しみ」と語り、顔見知りのスタッフやメンバーとの再会も喜んだ。

 乗客はツアーのバス約20台や天文館方面へのシャトルバスに乗り込み、観光に出かけた。初めて日本を訪れたパトリシア・カレジャさん(60)=オーストラリア=は「日本は景色が美しいと聞いている。雨だけど景色を楽しみたい」と話し、知覧方面へ向かった。

 一部の乗客はタクシーでかごしま水族館などを目指した。60代の男性運転手は「売り上げが多く望める仕事ではないが、せっかく鹿児島まで来た外国人をもてなしたいという思い。楽しみだ」と語った。歓迎式典に出席した県の藤本徳昭副知事は「観光商品の磨き上げを3年間してきた。今回を契機に鹿児島発着のクルーズもお願いしたい」と今後に期待した。