電事連会長、辞めたくても辞められない…? 池辺氏(九電社長)は社業専念を希望も、後任探すのは困難か

 2023/03/11 11:33
南日本新聞のインタビューで2023年の抱負を語る九州電力の池辺和弘社長=2022年12月、福岡市の九電本店
南日本新聞のインタビューで2023年の抱負を語る九州電力の池辺和弘社長=2022年12月、福岡市の九電本店
 全国の電力大手10社でつくる電気事業連合会(東京)の会長人事に注目が集まっている。2020年から現職の池辺和弘氏(65)=九州電力社長=は辞任し、燃料高対策や川内原発(薩摩川内市)の運転延長など九電の経営に専念したい意向があるとされる。ただ、電力販売カルテルや顧客情報の不正閲覧といった不祥事を抱える電力各社から後任を得るのは難しいとの観測もある。

 電事連会長は長い間、東京、関西、中部の主要3電力が持ち回りで務めてきた。豊富な資金力と人員の動員力で自民党と蜜月関係を築き、原発を推進しながら産業界で影響力を行使してきた。しかし福島第1原発事故や、その後の金品不正受領問題などで業界の信頼が失墜。池辺氏は20年3月、3社以外で初めて会長に就いた。

 電事連事務局によると、各社長の互選で決まる会長の任期は原則2年で、再任が可能。中部電から引き継いだ池辺氏は、資源高対策や原発の最大限活用を進める岸田政権下で、事業者間の意見調整や対外発信で多忙を極める。

 一方で18年6月に就いた九電社長職もおろそかにできない。40年超の運転延長審査や耐震基準の見直しを求められている川内原発をはじめとした原子力事業の推進や、脱炭素社会に向けた再生可能エネルギー導入など経営課題が横たわる。6年余り務めた前社長からバトンを受けた池辺氏にとって残された時間は多くないといい、「23年度は総仕上げの時期に入ってくる」(関係者)という。

 産業活性化に欠かせない安価な電力供給を担う九電の経営動向は、九州各経済界が関心を寄せる。早くから経営戦略のエースとして手腕を発揮してきた池辺氏への期待は大きい。電事連の2月の定例記者会見で去就を問われた同氏は今月17日、再び定例会見に臨む予定で、発言に注目が集まりそうだ。