「サクラはやめとけ」 焼酎蔵を視察したイタリア人バイヤーがアドバイス その理由とは

 2023/03/11 15:35
麦焼酎の仕込みタンクを前に、説明を受けるイタリアのバイヤーら=薩摩川内市樋脇の田苑酒造
麦焼酎の仕込みタンクを前に、説明を受けるイタリアのバイヤーら=薩摩川内市樋脇の田苑酒造
 イタリアの蒸留酒バイヤー4人が10日、鹿児島県内の焼酎蔵元を訪れた。12日まで県内の製造現場を見学し、商談などを通じてビジネスの可能性を探る。

 日本産酒類の輸出を強化しようと、日本貿易振興機構(ジェトロ)が、酒類の研究に関して協定を結ぶ鹿児島、新潟、山梨の3大学に呼びかけて企画した。

 4人はイタリア各地から集まったベテラン。5日に来日して新潟、山梨を巡り、9日に鹿児島入りした。鹿大で焼酎の製法や歴史について講義を受けた後、いちき串木野市と薩摩川内市の2社を訪問した。

 田苑酒造(薩摩川内市)では、こうじを興味津々で手に取り、仕込みタンクや熟成中のかめに顔を近づけて香りの変化を確認。原酒を試飲すると「ボーノ(おいしい)」と笑顔でうなずいた。一方で「麦より芋の方がアルコールを強く感じる」「サクラという商品名は多すぎるので避けた方がいい」などと助言した。

 アルベルト・ビローロさんは「原料や熟成の違いで味が複雑になるのが面白い」と気に入った様子。「ビジネスの可能性は大いにある。帰国したら紹介や販売の体制をつくる」と前向きだった。同社の中永田浩一・鹿児島工場長は「熱心さが伝わってきた。助言を商品づくりに生かしたい」と話した。