先進国のごみ輸出「途上国の人々の権利奪う」 鶴丸高2年生が「国際理解・協力のための高校生の主張」最高賞

 2023/03/12 21:30
外務大臣賞の賞状と盾を手にする坂元愛実さん=鹿児島市の鶴丸高校
外務大臣賞の賞状と盾を手にする坂元愛実さん=鹿児島市の鶴丸高校
 鶴丸高校(鹿児島市)2年の坂元愛実さんが、外務省などが主催する「第69回国際理解・国際協力のための高校生の主張コンクール」で、最高賞の外務大臣賞を受賞した。鹿児島県関係の受賞は初。坂元さんは「日本と海外をつなぐ仕事がしたい」と目を輝かす。

 コンクールは、国際連合の活動や主張を通じ高校生に考える機会を提供するのが狙い。全国から339人が応募。予選を通過した26人が、昨年10月東京であった本選に出場した。

 「国連が特に取り組んでいくべき人権」をテーマにした坂元さんは、リゾート地近くの「スモーキーマウンテン」と呼ばれるごみ山裏に住むフィリピンの少年の過酷な生活を紹介した。それを生み出した先進国のごみ輸出と、観光地を保つため事実を公にできない現地行政の対応を踏まえ「先進国が発展途上国の人々の権利や自由を奪っている」と指摘。「国連の世界人権宣言に述べられる『権利と自由に対する破壊的活動の禁止』こそ、真っ先に取り組むべき課題」と訴えた。

 当日は他の登壇者のスピーチ完成度が高く、入賞10位以内は難しいと思ったという坂元さん。「事実を基に国連への要望を真っすぐに主張したのが良かったのでは」と振り返る。

 坂元さんはコンクールの前後、米スタンフォード大学が開く日本の高校生向けオンライン講座にも参加。今年2月半ばまで、全て英語による講義や議論、リポート提出をこなした。3年になったら受験勉強に集中するという。「大学で視野と可能性を広げたい」と力を込めた。