雪が残る坂道を下る無人の車が…小1の3人、大声で「助けて!」危険知らせ事故防ぐ

 2023/03/12 12:17
動き出した無人の車を止めるため周囲に助けを求めた小学1年生3人=鹿児島市の西陵小学校
動き出した無人の車を止めるため周囲に助けを求めた小学1年生3人=鹿児島市の西陵小学校
 坂道を下る無人の乗用車に気づき、周囲に助けを求めて事故を防いだとして、西陵小学校(鹿児島市西陵1丁目)の1年生3人が、西陵まちづくり協議会から表彰された。お手柄の3人は「勇気を出して良かった」とはにかんだ。

 協議会によると、1月25日午後4時ごろ、西陵6丁目の市道で、ファミリマート吉満西陵店前の路肩に停車中の無人車が後ろ向きで坂を下り始めたのを、下校中の小副川琉雅君が発見した。雪がまばらに残る、片側一車線のゆるやかな下りのカーブだった。

 車は中央線を越えて反対車線側に約50メートルゆっくり移動。一緒に帰っていた岩元彩音さん、竹之下海斗君と協力し、「運転手のいない車が動いて危ない」「助けて」と叫び、歩行者や車の運転手など周囲に危険を知らせた。3人の呼びかけで車に気づいた通行人の女性が縁石にぶつかった車のドアを開け、パーキングブレーキをかけると停車した。エンジンはかかっておらず、ブレーキの引きが甘かったことが自然発車の一因とみられる。

 2月28日、3人に表彰状を贈った協議会の川畑岩夫会長(73)は「子どもたちのおかげで大きな交通事故になるのを防げた。素晴らしい行動力だ」と絶賛。竹之下君は「本当に怖かったけど、何かしなければと思った。誰もけがをしなくて、うれしい」と話した。