川内原発運転延長 県原子力専門委、総括で「方向性示す」 新座長に地頭薗鹿児島大教授を選出

 2023/03/14 11:47
記者の質問に答える鹿児島県原子力専門委員会の地頭薗隆座長(左)=13日、鹿児島市
記者の質問に答える鹿児島県原子力専門委員会の地頭薗隆座長(左)=13日、鹿児島市
 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の安全性を調べる鹿児島県原子力専門委員会が13日、鹿児島市であり、新座長に鹿児島大学の地頭薗隆教授(砂防学)を選んだ。川内原発の運転延長に対する専門委の検証まとめについて、地頭薗座長は「延長の妥当性に関する総括では、専門委としての一定の方向性を出したい」と語った。

 専門委は、4月がめどの分科会の報告を受けて検証結果を取りまとめる方針。地頭薗座長は「分科会報告は尊重するのが原則」とし、取りまとめ時期は「タイトなスケジュールになる」との認識を示した。

 会合で九電は、40年を超えても廃炉していない原子炉施設が1月25日時点で世界に109基(日本4基含む)あると報告。委員は「40年超えの施設でトラブルが発生しているのか、増えているのかが分からない」と説明不足を指摘した。

 県は、2月に実施した原子力防災訓練に参加した住民アンケートの結果を報告。原子力防災アプリやQRコードを使った避難所の受け付けがスムーズに「できた」が78%、「できなかった」が15%だった。委員からはアプリ利用で、避難時間がどの程度短縮できるかといった質問が出た。