大江健三郎さん死去 「歴史に残る偉大な作家、読み継いで」 鹿児島県内書店に追悼コーナー

 2023/03/14 11:24
大江健三郎さんの著作コーナー=13日、鹿児島市呉服町のジュンク堂書店鹿児島店
大江健三郎さんの著作コーナー=13日、鹿児島市呉服町のジュンク堂書店鹿児島店
 ノーベル文学賞作家の大江健三郎さんの訃報を受け、鹿児島県内の書店は13日、急きょ追悼コーナーを設けた。戦後を代表する作家の作品世界や思想に触れようと、訪れた人が著書を次々と手に取っていた。

 鹿児島市のジュンク堂書店鹿児島店は、小説全集のほか、エッセーなど文庫・新書合わせて約30点をそろえ、特設棚に並べた。副店長の土師千幸さん(35)は「歴史に残る偉大な作家として全集の在庫を確保していた。戦後日本の課題を鋭い視点で見据え、時代を切り取って表現した活動家、思想家でもある。もう一度目を向けて読み継いでもらえたら」。

 徳之島町の漁師、作城三吉さん(72)は「万延元年のフットボール」「飼育」などを愛読。「若い頃に読んで刺激を受けた。殻を破って成長する小説の主人公に勇気をもらっていた。改めて読み返したい」と語った。同市のブックスミスミオプシアも14日から特設コーナーを設置する。