米軍機の着陸111回、過去10年で最多「鹿児島の攻撃リスク高まっている」 2年連続で全国最多、種子島が急増 22年
2023/03/16 07:20

奄美空港に着陸した米軍のオスプレイ2機=2022年7月、奄美市笠利
米軍は有事の際、南西諸島に部隊を分散させて拠点を置く態勢づくりを進めている。23年1月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、有事に空港や港湾の柔軟な使用が重要と確認。識者は「離島の多い鹿児島の軍事的重要性が一段と増し、攻撃リスクも高まっている」と指摘する。
22年に米軍機が着陸したのは全国89空港のうち20空港で計342回(同28回増)。多い順に福岡60回(同11回減)、熊本が急増し56回(同55回増)、奄美50回、種子島49回、名古屋34回(同3回減)と続いた。4年間着陸がなかった与論は12回に急増し、8番目に多かった。
一方、回数が例年多かった長崎は8回(同53回減)と大幅減。徳之島も前年10回からゼロになった。
都道府県別は鹿児島、福岡、熊本の順。過去10年で見ると、鹿児島は2015年の3空港計103回が最多だった。熊本の急増と長崎の急減は異例の幅。
全国の米軍機着陸のうち鹿児島の割合はこの5年で増え続け、22年は初めて3割を超えた。米軍の輸送機オスプレイが点検などを理由に奄美へ恒常的に飛来するほか、与論の使用も目立った。県港湾空港課によると、ほかの着陸はヘリコプターが大半。
機種や目的について、在日米軍司令部広報は詳細は明かせないとし、「騒音など住民への影響を最小限にするよう配慮し、日米合意の範囲内で必要な訓練をしている」と説明。九州防衛局は「米軍の運用で答える立場にない」とした。
軍事評論家の前田哲男さんは「陸上自衛隊の拠点である熊本の活用にも乗り出した」とみる。「有事ではまず空港やレーダーが狙われる。地元自治体は黙認せず、可能な限り実態やリスクを住民に知らせる姿勢が必要だ」と話した。
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