新型ロケットH3、2段目エンジンで過電流発生か JAXAが打ち上げ失敗の原因報告

 2023/03/17 09:00
地球観測衛星だいち3号を載せ、打ち上げられるH3ロケット1号機。2段目エンジンが点火せず失敗した=7日、南種子町の種子島宇宙センター
地球観測衛星だいち3号を載せ、打ち上げられるH3ロケット1号機。2段目エンジンが点火せず失敗した=7日、南種子町の種子島宇宙センター
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は16日、打ち上げに失敗したH3ロケット1号機で2段目エンジンが着火しなかったのは、エンジン内で過大な電流が発生したことが原因の可能性が高いと明らかにした。文部科学省の有識者会合で報告した。

 JAXAによると、飛行中に2段目エンジン内で過電流が起き、機体側の制御機器が異常として検知。エンジンを動かすための電源を遮断した。

 飛行データの詳細な解析や実機を使った試験で過電流が生じた要因を調べている。エンジン内の機器故障や消費電流の増大、制御機器の誤検知が考えられるという。現在運用中のH2Aロケットの2段目エンジンでもH3と共通のシステムを採用しており、その影響も調査中。

 H3は7日午前、南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。1段目と2段目の分離までは順調に進んだが、2段目エンジンが着火せず、発射約14分後に指令破壊した。