女子ゴルフの国内ツアー第３戦・Ｔポイント×ＥＮＥＯＳトーナメントは１７日、鹿児島県姶良市の鹿児島高牧カントリークラブで開幕した。

　今大会を最後に米女子ツアーへ挑む勝が、前半のトラブルを乗り越え、後半は一気にスコアボード上位へ躍り出た。３バーディー２ボギーの前半から一転、後半はボギーなしの４バーディー。「まるで優勝争いをしているかのようなギャラリーの数と声援だった」。地元の熱烈な応援を力に変え、首位に２打差と絶好の位置につけた。

　前半は波乱続きだった。３番（パー３）のティーショットはシャンクして右へ飛び出し、あわやＯＢ。８番は第２打がグリーン前の池へ吸い込まれた。「悪い時の自分が頭をよぎった」。流れを変えたのは９番。２打目をピン奥５メートルにつけると、難しい下りのパットを沈めて１アンダーで折り返した。

　一度つかんだ流れは離さない。後半も大勢のギャラリーを引き連れ「みなみ劇場」で楽しませた。１２番で３メートル、続く１３番は１０メートル。連続バーディーで上昇気流をつかんだ。試合後は「昨年の第１ラウンドは６オーバーだったから１１打縮めた」とおどける余裕も見せた。

　「出だしはこの位置に上がれると思っていなかった。観客に気持ちを乗せてもらった」と感謝を口にした勝。地元で勝ってアメリカへ。舞台は整った。