「音楽は世界共通語」 ウクライナから避難の14歳、仲間と一緒に元気な音色 鹿児島のジャズバンドで演奏

 2023/03/19 07:30
「リトルチェリーズ」に参加するマリア・コザコヴァさん=18日、鹿児島市のマリンポートかごしま
「リトルチェリーズ」に参加するマリア・コザコヴァさん=18日、鹿児島市のマリンポートかごしま
 鹿児島県内の小中学生によるジャズバンド「リトルチェリーズ」で、ウクライナから避難してきた14歳のマリア・コザコヴァさんが活躍している。18日は鹿児島市のマリンポートかごしまで、クルーズ船見送り演奏に参加し、仲間とともに元気な音色を響かせた。

 スイング感あふれる「茶色の小瓶」「シング・シング・シング」などを岸壁で演奏、出港するダイヤモンド・プリンセス号の乗客から歓声や拍手が送られた。「見送りは初めての経験だったが、いつも通り吹けた」と笑顔を見せた。

 ウクライナ東部のドニプロ出身。ロシア侵攻に伴い、鹿児島市在住の姉を頼って母(49)とポーランド経由で来日し、約1年になるという。同市の長田中2年生。

 母国に残る父親がジャズ好きな影響で、サックスに親しんできた。リトルチェリーズには昨年10月に入団。現在は4月2日に鹿児島市中央公民館で開くスプリングコンサートに向けて、練習に励んでいる。「ウクライナのことを思うと気持ちがまとまらない。けど、思いやりのある鹿児島の人たちは好き。演奏を頑張りたい」と話す。

 日本語は勉強中。指導する大西隆理事長(74)は「音楽は世界共通語。団員たちはハートでつながっている」と力を込める。バンドは2月には、同市でウクライナ支援の演奏会を開催。団員、保護者とも、ウクライナ情勢への関心や平和への思いが高まったという。

 スプリングコンサートでマリアさんはソロパートを演奏するほか、ピアニスト松本圭使さんとの共演も予定する。キャプテンの藤田明樹さん(明和中2年)は「マリアちゃんとみんなで楽しく演奏できれば」と抱負を語った。

 4月2日は午後2時開演。800円(当日200円増し)。高校生以下無料。