地域を笑顔にする、地道な活動に光を…市が「主役大賞」創設 第1号は美化、活性化に取り組む3個人・グループに 南さつま

 2023/03/19 21:34
干支オブジェが好評の福元壮年会=南さつま市大浦町
干支オブジェが好評の福元壮年会=南さつま市大浦町
 鹿児島県南さつま市は本年度「主役大賞」を創設した。目立たないながらも、地道な活動で地域の模範となり元気や笑顔を届ける市民を表彰する。第1号は美化や地域活性化に取り組む3個人・グループを“南さつま劇場の主役”に抜てき。市内22元気づくり委員会の推薦を受け選定した。

 加世田津貫下木屋自治会の有馬秋義さん(95)は、ポイ捨てが目立つ自宅前の国道270号沿いの清掃をほぼ毎日続ける。祭りでは得意のハーモニカ演奏が恒例で新型コロナ前は施設慰問もしていた。高齢でも、意欲的な姿が住民を発奮させる。「体はどこも悪くない。賞に恥じないよう頑張る」と意気込む。

 大浦町福元自治会の福元壮年会約20人は、毎年製作する干支(えと)オブジェや門松が好評だ。棒踊りの保存継承にも熱心。冬は公民館にイルミネーションを飾り付け「地域が明るくなった」と活動資金を寄付する住民も増えた。福元勉代表(61)は「みんなの支えが賞につながった」と感謝した。

 笠沙町片浦の中尾幸弘さん(76)サユミさん(71)夫婦は毎月、地元の野間岳にある野間神社の清掃を欠かさない。幸弘さんは元航海士で、同じ道へ進んだ次男ら船乗りの安全を願い6年目になる。「いつもきれい」と参拝客も喜ぶ。夫婦は「賞は励みになる。体が許す限り通い続ける」と本殿に誓った。