「自信持ってアメリカに行ける」 見せ場つくった勝みなみ、地元ファンに雄姿刻む【女子ゴルフTポイント×ENEOSトーナメント】

 2023/03/20 12:07
トータル9アンダーで16位タイの勝みなみ=鹿児島高牧CC
トータル9アンダーで16位タイの勝みなみ=鹿児島高牧CC
 Tポイント×ENEOSトーナメント最終日は19日、鹿児島高牧CC(6419ヤード、パー72)であった。トップと7打差でスタートした勝みなみ(鹿児島市出身)は5バーディー、2ボギーの69で回り、通算9アンダーの207で16位タイ。鹿児島高牧CC開催の同大会では過去最少スコア、最高順位を記録した。勝は同日中に帰京し、20日に渡米。23日から現地女子ツアー初戦に臨む予定。

■攻めの姿勢貫く

 国内最後の18ホールは、温かさに満ちあふれた。豪快なドライバーショットをギャラリー総出で喜び、カップをかすめたパットは、皆わがことのように悔しがる。「私にはこんなに多くの応援団がいる。渡米前に地元から大きな刺激をもらえた」。試合後の会見は、支えてくれた全ての人への感謝の言葉で切り出した。

 首位と7打差の最終日。優勝争いが遠のいたとはいえ、攻め気が衰えるはずもない。250ヤード超のロングドライブが次々とフェアウエーをとらえた。

 見せ場は存分につくった。4番では第2打をベタピン50センチにつけ初バーディー。15、16番は絶妙なアプローチから連続バーディーを決めた。米参戦に向けオフに徹底して磨いた「ピンを刺す」ショットが、慣れ親しんだコースで威力を発揮した。「これで自信を持ってアメリカに行ける」

 祖父・市來龍作さん(82)の手ほどきでクラブを握ったのが6歳。特定の指導者を求めず、高校や大学のゴルフ部にも所属せず、自己流で腕を磨いた。高校1年で国内ツアー最年少優勝を手にすると才能はめきめき開花した。「自分で悩み、試行錯誤して夢を追ってきた。アメリカはあの子をきっと受け入れてくれる」(市來さん)

 身上とするのは「大きく振って、ピンをがんがん攻めるゴルフ」。それはまさに、祖父の教えそのものだ。

 勝みなみ、24歳。世界一愛されるゴルファーへ。鹿児島の宝が海を渡る。