長髪「もう切りたい」…6歳男児、つらさを耐えてへアドネに協力 姉、母親に見習い挑戦「また伸ばしてもいい」

 2023/03/20 20:48
長髪をカットした宇都七之香君(手前)、柚香さん(右)、香織さん=南さつま市加世田地頭所町
長髪をカットした宇都七之香君(手前)、柚香さん(右)、香織さん=南さつま市加世田地頭所町
 鹿児島県南さつま市加世田高橋の宇都七之香君(6)が、姉の万世小学校6年の柚香さん(12)、母親の香織さん(42)に続いて医療用かつらに寄付するヘアドネーションに協力し、長髪をカットした。からかわれたり、剣道で邪魔になったりしたが、「病気の人の役に立ちたい」と頑張った。

 柚香さんは小学1年の時に入院した病院で、病気で髪がない子どもと知り合ったのをきっかけに「自分にもできることがある」と取り組んだ。5年生で2度目を経験。娘を見習い、香織さんも1度挑戦した。

 七之香君も2人に刺激され、4歳で髪を伸ばし始めた。昨年からは南さつま警察署道場加世田剣道スポーツ少年団にも通う。長髪で面を付け竹刀を振り回すのは難儀だ。寝ている時に髪が絡まるため編んでもらって床につく。保育園では「女の子みたい」と言われた。

 「もう切りたい」と弱音を吐くと、柚香さんが「病気で困っている人がいる。あと少しだから我慢しなさい」と激励した。寄付できる31センチ以上になるまで耐え17日、短髪にした。保育園では「偉かった」とみんながほめてくれた。

 小学1年になる七之香君は「また伸ばしてもいい」と2度目を決意。中学生になる柚香さんも「弟に負けたくない」と意欲を示す。香織さんは「洗髪や手入れが大変だけど、子どもたちが人のためになることを考えて実行するのはうれしい」と話した。