子育て政策で一番重視しているもの…「金銭支援」 教育費の負担「重い」の声相次ぐ【九州4紙合同アンケート】

 2023/03/24 07:00
 政府の「こども家庭庁」発足や統一地方選が4月に迫る中、読者の声に応える報道で連携する南日本、西日本、熊本日日、宮崎日日の九州4紙は子育て施策に関するアンケートを実施した。重視する施策で群を抜いて多かったのは、幼児教育・保育や高校授業料の無償化などの「教育費支援」で、重い負担を訴える声が相次いだ。


 アンケートは南日本新聞「こちら373(みなみ)」など無料通信アプリLINE(ライン)でつながる4紙のフォロワーなどが対象。3月3~12日に実施、1289人(女性728人、男性535人、無回答26人、県内は計203人)が回答した。

 家庭の状況は「子育て中」が46.0%、「子育ては終わった」が33.6%、「これから子育てしたい」が4.3%-など。うち「子育て中」の回答者に教育費の負担感について10段階で尋ねたところ、42.8%が最も重いと感じる「10点」を付け、平均でも8.2点に達した。鹿児島県在住者は50.0%が「10点」を選び、平均8.7点だった。

 重視する子育て施策については全員に質問。時期を「妊娠・出産期」と「育児期間中」に、支援の種類を「金銭」と「現物」(サービス提供)にそれぞれ分類した19の選択肢から最大三つまで選んでもらった。

 その結果、育児期の金銭支援である「教育費支援(幼保の無償化、高校などへの就学支援、大学生への奨学金)」が最多の54.6%。続く「児童手当」(19.6%)や「産休・育休中の所得保障」(18.4%)を引き離した。求める支援は「金銭」が「現物」を大きく上回り、「子育て中」ほどその傾向は強い。一方で、世帯収入で見ると、収入の多寡にかかわらず金銭面の支援を求める声が多い傾向は同じだった。

 鹿児島県内も「教育費支援」が最多の54.7%に上り、「児童手当」(24.1%)、「育児期の医療費助成」(20.2%)、「不妊治療への助成」(19.2%)、「産休・育休中の所得保障」(18.2%)が続いた。

 このほか「自治体の中で重視すべき施策」について19項目から最大三つ選択してもらったところ、「子育て」52.4%、「教育」42.2%が上位に。「交通インフラの整備」(25.3%)、「高齢者福祉」(20.3%)の順になった。



 アンケートは多様な方々の声を聞き取るのが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なります。5月のこどもの日に向け、各地の先進自治体などの取材を進めます。

 あわせて読みたい記事