あなたのまちの子育て政策、10点満点中なん点? 鹿児島は5点が最多 医療費の窓口負担、施設不足がマイナスポイントに【九州4紙合同アンケート】

 2023/03/24 11:50
子どもが遊ぶ姿を見守りながら、子育ての話などをする保護者=鹿児島市与次郎1丁目のすこやか子育て交流館
子どもが遊ぶ姿を見守りながら、子育ての話などをする保護者=鹿児島市与次郎1丁目のすこやか子育て交流館
 南日本新聞、宮崎日日新聞、熊本日日新聞、西日本新聞の九州4紙による子育て政策についてのアンケートでは、男女問わず幅広い世代が妊娠、出産、育児、教育とライフステージに沿った支援を求めている姿が浮き彫りになった。岸田文雄首相は「異次元の少子化対策」を掲げ、育児休業給付や多子世帯支援拡充を表明したが、少子化傾向の反転は容易ではない。4月のこども家庭庁発足を前に、社会が求めている「切り札」を探る。

 アンケートでは「住んでいる地域の子育て満足度」を10点満点(評価が高いほど高得点)で聞いた。鹿児島県の回答203件中、最多は「5点」(24.1%)で、「6点」(16.7%)、「7点」(14.3%)と続いた。

 九州4紙の全回答1289件の中でも、最多は5点(22.9%)。7点(15.4%)、6点(14.4%)を選ぶ人が多かった。

 県内で5~7点を選んだ理由は「子ども医療費の窓口負担が無料化されていない」(5点、鹿児島市・会社員、55歳男性)、「子育て世帯が遊べる施設が少ない」(7点、指宿市・パート、49歳女性)など。

 6点とした鹿児島市の元教員男性(68)は「自治体の福祉担当部署と教育委員会の連携が不可欠。障害のある子どもは継続的支援が必要」と訴えた。

 4点以下は「病児保育がなく何度も困った」(1点、屋久島町・教員、41歳女性)や「特別支援学校が遠く、校数も定員も少ない」(2点、薩摩川内市・42歳主婦)など。放課後児童クラブが少ない、開設時間が短い、との指摘も。「女性が子どもを預けて仕事することに反対する親戚が多い」(2点、鹿児島市・53歳主婦)と、性差による役割分担に疑問を投げかける意見もあった。

 8点以上は「給食費、医療費が無料」(10点、南種子町・自営業、41歳女性)や「隣近所が子どもに声をかけてくれ安心できる」(8点、鹿児島市・パート、49歳女性)を挙げた。

 「重視すべき身近な自治体の政策」(防災や治安対策など19項目から選択)では「子育て」(57.6%)、「教育」(38.9%)が上位となり、「交通インフラの整備」(25.1%)、「産業」(21.2%)、「高齢者福祉」(20.2%)と続いた。

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