役場が導入した「書かない窓口」とは デジタル技術で簡単、時短 全町民に恩恵があるシステムだった 長島町

 2023/03/25 11:22
申請書の記入作業が不要となった窓口=長島町役場
申請書の記入作業が不要となった窓口=長島町役場
 鹿児島県長島町は24日、町民が申請書を記入せずに住民票の写しなどの交付を受けられる「書かない窓口」の運用を始めた。北海道北見市が導入し、全国に広がっている仕組みを九州で初めて採用した。書類記入の手間や待ち時間を省くのが狙い。

 町役場の窓口に来た町民を免許証などで本人確認した後、必要な証明書を職員が聞き取り、申請書を印刷する。町民が内容に目を通して署名すると、手続きが完了。その後証明書を自動出力でき、職員の業務効率化にもつながる。

 戸籍や納税関係など約50種類の申請で記入が不要となる。今後福祉や介護分野などでも運用する方針。

 高齢の来庁者も多く、現場職員から手続きの負担軽減策について提案されたのが導入のきっかけ。事業費は約2500万円で、国の「デジタル田園都市国家構想交付金」などを活用した。

 町は24日から申請書の記載台を撤去。窓口を訪れた町民は「手続きが簡単。すぐに終わるのもいい」と歓迎した。川添健町長は「町民一人一人が恩恵を受けられるデジタル技術。誰もが利用しやすい役場になれば」と話した。