白線を踏み越えて左折するトラック 全児童の半数が通る道幅狭い交差点 対策に限界「一人一人が注意するしかない」
2023/03/25 11:49

車両を避けて交差点を通る子どもたち=17日午前7時45分ごろ、鹿児島市川上町
中央線はなく、道幅6.6メートル。交差点角に立つ郵便ポストを左折するトラックが路側帯の白線を踏みながら内側まで進入した。車をよけようと児童は郵便ポストと建物の隙間を通り抜けた。決して珍しい光景ではない。いつ事故に巻き込まれてもおかしくない危険箇所だ。
全校児童約640人の約半数が交差点を通る。1992年から吉野地区の区画整理が始まり、周辺は住宅地や店が増えた。幹線道路の県道鹿児島吉田線への抜け道になっており、交通量も多い。
交差点で登校を見守る本山桂三校長は「ウインカーを付けない左折、一時停止せず直進する車もいて非常に危険。ガードレールやポールを設置すると、より道が狭くなり、かえって危険」と悩ましげだ。
学校は児童に走らずに路側帯内を通るよう繰り返し指導しているが、徹底は難しいようだ。警察などとの通学路点検では道幅拡張や視界が悪くなる郵便ポストの移設を要望してきた。
交差点を起点に学校までの市道は土日祝日を除く午前7時〜8時半、自転車など「軽車両」以外の通行を禁じているが、標識を読み違えて進入する軽乗用車が散見される。本山校長は「この道は車が来ないと思って子どもが安心している。大事故につながりかねず、注意してほしい」と訴える。
小学1年の娘の登校に付き添う鮫島琴恵さん(43)は「道幅に対し交通量が多く、危ない認識はみんな持っている。それでも実際に事故が起きてからでないと具体的な対策は取られず、一人一人が注意するしかないのが現状」と話す。
市道路建設課は市道に「スピード落とせ」の道路標示を設けたり、路側帯の白線を引き直したり、対策は講じてきた、と説明する。一方で「道幅拡張やポスト移設は私有地との兼ね合いになってくる。交差点は形状が互い違いになっており、大規模工事が避けられず、現状では抜本的な解決は難しい」としている。
(南日本新聞×KTS合同企画「通学路安全ですか」より)
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