【川内原発運転延長】県専門委分科会の「適正」判断 委員から「電力会社の文章」と厳しい指摘が…「大きな問題ない」と許容する声も

 2023/03/25 08:27
九州電力川内原子力発電所(薩摩川内市)
九州電力川内原子力発電所(薩摩川内市)
 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の運転延長を検証する県原子力専門委員会分科会が24日開いた第11回会合では、提示された検証結果の報告書案を巡り、各委員から賛否さまざまな意見が出た。

 報告書案の内容について、「大きな問題はない」(橘高義典東京都立大学大学院教授)「十分ではないが、日程的にもやむを得ない」(佐藤暁原子力コンサルタント)と許容する声が上がった。一方、「安全性確保のために抜けている点も指摘するべき。掲載内容について委員間でさらに議論を重ねたい」(後藤政志・元原発設計技術者)「新たなデータや改定があれば、追加評価を求めるべき」(大畑充大阪大学大学院教授)などの要望が出された。

 長期間の部材の耐久性なども議論したが報告書案に反映されていないとして、「メリハリがない。電力会社が書いたような内容」(渡邉英雄九州大学准教授)と厳しい指摘もあった。

 これまでの議論を振り返り、「県民の生活や健康にどう関係するか結びつける視点が不足していた」(佐藤氏)との反省の弁に、県は検証内容を分かりやすく県民に伝える事業を実施する意向であると説明した。