鹿児島県内 新型コロナ確認から3年 感染は3.5人に1人、44万1500人 98%が22年以降に集中

 2023/03/26 07:30
新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)
新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)
 新型コロナウイルスの感染者が鹿児島県内で初めて確認されて26日で3年がたった。感染者は25日までに44万1500人に上り、数字の上では県民(158万人)の3.5人に1人が感染したことになる。死亡者は884人。感染者、死亡者のいずれも90%超がオミクロン株が主流の2022年以降に集中する。

 新型コロナはオミクロン株の流行で新たな局面に入った。22年1月以降の感染者は43万2378人で累計の98%。死亡者は818人で93%に上る。オミクロン株は、これまでの変異株に比べて重症化リスクの低下が指摘される一方、感染者が爆発的に増えたことで死亡者も大幅に膨らんだ。

 20年国勢調査人口を基にした南日本新聞の調べでは、都道府県別で県内の人口10万人当たりの感染者数は10位、死亡者数は24位だった(いずれも24日時点)。保健・医療提供体制確保計画(10日時点)を参考にした人口10万人当たりのコロナ病床数は17位、宿泊療養施設部屋数は4位。

 感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授は、県内で感染者の割合が高い奄美地域が全体を押し上げたとみる。「島外から訪れた人と住民との交流や、親戚付き合いが盛んな風土が影響したのではないか」と指摘した。

 県内の感染者の市町村別は、全数把握を簡略化する22年9月20日までで、県都・鹿児島市に全体の43%が集中。人口1万人当たりでは龍郷町が最も多く、次いで徳之島町、奄美市、伊仙町、大和村と奄美地域が上位を占めた。

 累計感染者の年代別は40代以下が全体の72%。10歳未満と10代の子ども世代、30代と40代の親世代の割合が高くなっている。オミクロン株の流行後、これまで少なかった10歳未満の感染が目立つようになった。

 政府は新型コロナの感染症法上の位置付けを5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」に変更する方針。感染動向の調査については、特定の医療機関から週ごとに報告を受ける「定点把握」に移行し、現状の全数把握は終了する。