鹿児島湾周遊「よりみちクルーズ」12年で幕 引退船の最終運航にファンが列 鹿児島市、新クルーズを検討

 2023/03/27 09:30
最後のよりみちクルーズを満喫する乗客=26日、鹿児島市本港新町の鹿児島港桜島フェリーターミナル
最後のよりみちクルーズを満喫する乗客=26日、鹿児島市本港新町の鹿児島港桜島フェリーターミナル
 鹿児島湾を周遊する「よりみちクルーズ」が26日、12年の運航に幕を下ろした。200人以上の市民らが乗船し、色とりどりの紙テープが舞う中、「ありがとう」「さようなら」と別れを惜しんだ。

 31日に引退する第十五櫻島丸「チェリークイーン」での運航ということもあり、多くのファンが鹿児島港桜島フェリーターミナルの乗船券売り場に列をなした。出航時にはあふれるほどの乗客がデッキに集まり、スマートフォンで撮影したり、見送る職員に手を振ったりした。

 鹿児島市松陽台町の専門学校生、西田大輝さん(22)は「陸からは見られない景色が味わえ、地元客も楽しめた。廃止は仕方ないが切ない」と名残を惜しんだ。

 よりみちクルーズは2011年、九州新幹線の全線開業に合わせ観光客向けに本格運航を始めた。毎日1便運航していたが、赤字が続く経営状況の回復に向け、22年度から土日祝日のみに減便していた。23年度から桜島フェリーが1隻減船されるのに伴い、市船舶局はよりみちクルーズと夏に運航していた納涼船を廃止する一方、新しいイベントクルーズの実施を検討している。