ライバル同士が手を組んだ…鹿児島のタクシー10社が共通配車アプリ導入、4月から運用開始

 2023/03/29 11:25
乗客を待つタクシーの列=鹿児島市千日町(資料写真)
乗客を待つタクシーの列=鹿児島市千日町(資料写真)
 南映タクシーや日の丸交通、観光タクシーなど鹿児島市内のタクシー10事業者(計約200台)が4月から、「カゴシマTAXIグループ」として連携を強化し、共通の配車アプリや決済機の運用を始める。経営環境が厳しい中、スケールメリットを生かして回復しつつある需要に対応する。

 同グループの松本明本部長によると、すでに共通の配車システムを導入している。4月からはアプリの運用を始めるほか、クレジットカードや交通系ICカードに対応した決済機も使えるようにする。

 4月以降も各事業者の屋号に変更はないが、新グループのロゴを全車両のドアに貼る。「各社の就業規則や賃金規定の統一化を進め、将来的にはブランドの統一も検討している」と話す。

 連携強化の背景にあるのは、新型コロナウイルス禍による売り上げ減少。需要は回復しつつあるものの、コロナ前の2~3割減と厳しさが続く。乗務員は歩合制のため人員離れにもつながり、需要に追いつかない状況という。

 松本本部長は、高齢者の免許返納やバス路線の廃止などでタクシーが活躍する余地は大きいとみて、「業務の効率化で労働環境を改善し、持続可能な事業を目指す」と語った。