「若手が手を挙げるから…」 4年で0回も、ベテランになるほど少なくなる一般質問の謎 鹿児島県議会

 2023/03/30 08:00
鹿児島県議会本会議場の演壇に上がり一般質問する議員(中央)
鹿児島県議会本会議場の演壇に上がり一般質問する議員(中央)
 鹿児島県議会(定数51、欠員2)は3月で今任期最後の定例会を終え、31日告示の県議選(4月9日投開票)を迎える。年4回ある定例会を振り返ると、議員個人の問題意識に基づく一般質問の登壇回数はベテランほど少なくなりがちで、0~9回と開きは大きい。力を入れてきた議員は「ベテランも声を上げて、改選後の議場を盛り上げてほしい」と訴える。

 南日本新聞の集計では、今任期中に16回あった定例会で一般質問の登壇機会は計258回。会派として県執行部をただす代表質問に立つ回数も考慮した上で、勢力に応じて自民200回、県民連合21回、公明8回、共産8回、無所属に21回が割り当てられた。

 このうち、4年間を通して議員を務めた45人(議事進行役の議長就任者2人含む)の質問回数は、最も多い9回が2人で、8回11人、7回6人、6回6人、5回2人と続いた。対して最少は0回で1人、1回2人、2回5人、3回6人、4回4人だった。

 当選期数を重ねるごとに減る傾向も浮かぶ。期数別の平均は1期と2期がそれぞれ7.1回、6.8回。一方、3期以上は9期の2回が最も少なく、残りは4回前後。3回だった自民議員は「言い訳するようだが、若手が積極的に手を挙げてくれている」と話す。

 一般質問は知事に答弁を直接求めるなど、議員にとって存在感をアピールする場の一つだ。3期以上の議員で最多タイの8回質問に立った自民の大園清信氏=6期目の今期で引退=は「ベテランは新たな視点の質問を示せる。登壇しないと議員職に安住していると言われかねない」と指摘する。