経済成長率「戦後最低」マイナス4.2% 20年度鹿児島県内、コロナ響く 県民所得は7.3%減の240万円

 2023/03/30 14:00
 鹿児島県は29日、2020年度県民経済計算を発表し、名目県内総生産は前年度比3.2%減の5兆6103億円だったと明らかにした。減少は18年度以来となる。実質経済成長率は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で戦後最低水準の同マイナス4.2%だった。1人当たりの県民所得は240万8000円で、前年度の259万9000円から7.3%減った。

 県の実質経済成長率はIT不況の影響を受けた01年度がマイナス1.4%、リーマン・ショックがあった08年度はマイナス3.8%。ともに20年度と計算方法が異なり単純比較はできないが、厳しい経済状況を示していると言える。

 統計課によると、名目県内総生産は新型コロナの影響で飲食・宿泊業が同42.4%減。ほかに製造業が同8.9%減、卸売・小売業が同6.3%減など。企業が設備投資を抑えたり、新車が売れなかったりしたことなどが要因とみられる。一方で、建設業は20年7月の豪雨災害からの復旧などを背景に同10.6%増加した。

 物価変動の影響を除き、前年度との差が実質経済成長率となる実質県内総生産は5兆4498億円で、18年度以来の減少となった。

 名目国内総生産537兆5615億円に占める県内総生産の割合は1.04%。国民所得に対する県民所得の割合は80.9%だった。