自転車事故の死者 65%が65歳以上 ヘルメット未着用目立つ 4月から全年齢で努力義務化

 2023/03/30 15:00
【資料写真】ヘルメットを着けて自転車に乗る子どもと母親=鹿児島市
【資料写真】ヘルメットを着けて自転車に乗る子どもと母親=鹿児島市
 改正道交法の施行に伴い、4月1日から全年齢で自転車に乗るときのヘルメット着用が努力義務になる。罰則はないが、鹿児島県警は「被害軽減のために、しっかりと着用してほしい」と呼びかけ、通学路や幹線道路で街頭指導に取り組む。

 警察庁の統計では2022年、自転車に乗り、過失の重い「第1当事者」などになった事故の死者は336人。このうち65.5%に当たる220人が65歳以上だった。死傷者のヘルメット着用率は9.9%、65歳以上は3%台と低くなっている。

 県警交通企画課によると、22年に県内では300件(前年比15件減)の自転車事故が発生し、死者は3人(同2人減)、負傷者は294人(同7人減)。死亡した3人はいずれもヘルメット未着用だった。

 県は2017年3月に「かごしま自転車条例」を施行し、着用を努力義務とした。中学生以下には保護者が着用させるよう義務付けている。

 29日の定例会見で中野誠交通部長は「教育委員会などと連携して交通安全教育や広報啓発をしていく」と話した。