南日本文学賞贈賞式 小説・馬場さん「創作は充実した青春」 詩・栫さん「選評から光が見えた」

 2023/03/31 10:14
南日本文学賞を受けた小説・文芸評論部門の馬場広大さん(前列右)と詩部門の栫伸太郎さん(同左)。後列は介添人=30日、鹿児島市の南日本新聞会館(田中公人撮影)
南日本文学賞を受けた小説・文芸評論部門の馬場広大さん(前列右)と詩部門の栫伸太郎さん(同左)。後列は介添人=30日、鹿児島市の南日本新聞会館(田中公人撮影)
 2022年度南日本文学賞(南日本新聞社主催)の贈賞式が30日、鹿児島市の南日本新聞会館であった。 小説「ながらめ」で受賞した宮崎市の会社員、馬場広大(こうだい)さん(29)=西之表市出身=と、詩15編の作品「雨雨」で選ばれた東京都渋谷区の大学生、栫伸太郎さん(21)=鹿児島市出身=に、それぞれ賞状と賞金30万円が贈られた。

 公募制が始まった1998年度以降、20代が両部門そろって受賞するのは初めて。

 馬場さんは「毎年応募を続けた20代の日々は、紛れもない私の青春。技術を尽くし納得する形で書き上げた。まだ書かれていない鹿児島を掘り下げ、表現を追求する」。栫さんは「高校生の時に知り、詩作の目標として憧れだった賞を受けてうれしい。選評から光が見えた。賞の名に恥じない創作活動を続けたい」と意気込みを語った。

 南日本新聞社の佐潟隆一社長は「いずれの作品にも旺盛な創作意欲を感じ、若い新たな書き手を発掘した思い。複雑で多様な人間の心象風景に向き合い、自分の手法で思いをつづってほしい」と述べた。

 南日本文学賞は小説・文芸評論と詩の2部門で公募し、作家の青来(せいらい)有一氏と町田康氏、詩人の三角みづ紀氏の3委員が選考した。