色覚障害あっても色を認識しやすく…高2の4人がスマホ用フィルター機能「しきべつくん」開発 ウェブで無料公開

 2023/03/31 11:46
色の識別がしやすくなるスマホ用スクリーンを開発した甲南高校生4人=鹿児島市
色の識別がしやすくなるスマホ用スクリーンを開発した甲南高校生4人=鹿児島市
 国のスーパーサイエンススクール(SSH)指定を受ける甲南高校(鹿児島市)の2年生4人が、色覚障害があっても色を識別しやすいスマートフォン用の無料フィルター機能「しきべつくん」を開発した。インスタグラムとフェイスブック上のカメラで使え、撮影したマークや文字をフィルター越しに見ることもできるという。

 開発したのは下唐湊(しもとそ)匠さん、岩城未来さん、杉崎健太さん、平晴登(たいら・はると)さん。色覚障害への支援や理解度向上をテーマに、2022年度の活動で取り組んだ。

 色は網膜内の3種類の錐体(すいたい、視細胞)が赤、緑、青の光の組み合わせを感じて認識する。色覚障害は3錐体のいずれかが十分機能せず、色の区別がつきにくい状態。先天性の症状で多いのは、赤を感じる錐体の機能が弱いP型と、緑を感じる錐体の機能が弱いD型だという。

 4人は、スマホから出る光を調整して識別を補助しようと、色の見え方を再現するアプリで試行錯誤。P型用、D型用にそれぞれ最も弱く感じる光とのバランスをとった。効果を確認し23年2月中旬からウェブ上で無料公開。海外を含め1700人以上が利用した。

 また校内で認知度を高めようと、色覚障害に関するコラムを掲示。約3カ月後のアンケートでは、381件の回答のうち「理解を深めた」「少し深められた」が89.8%を占めた。

 色覚障害を持つ人は世界に約2億人いるとされる。4人は「社会に貢献できる成果が出せてうれしい。さらに機能を改善し、色覚障害への理解度を向上させたい」と力を込めた。

 https://sikibetsukun.wixsite.com/-siteで読み込める。

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