馬毛島で見つかった旧石器時代の「八重石遺跡」 基地工事進める防衛省に発掘調査を勧告 鹿児島県教委

 2023/03/31 08:27
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
 米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備工事が進む鹿児島県西之表市馬毛島で見つかった旧石器時代の「八重石(やえいし)遺跡」について、鹿児島県教育委員会は30日、防衛省に対し、遺跡の記録保存に向けた発掘調査を実施するよう勧告した。

 防衛省は昨年12月、文化財保護法に基づき、遺跡一帯の「周知の埋蔵文化財包蔵地」(包蔵地)で工事を実施すると通知。県教委は、防衛省に対し発掘調査実施の勧告をするかどうかを判断するため、今年2月から予備調査を行っていた。県教委によると、石器などの遺物が複数見つかり、埋蔵文化財があることが判明したため勧告した。

 発掘調査の開始時期は未定。重要な遺構が発見された場合は、保存について別途協議が必要となり、結果次第では工事に影響が出る可能性もある。

 県教委は「勧告に沿って適切に調査してほしい」とコメント、防衛省は「勧告の内容を受け止め、法に基づき適切に対応する」と説明した。

 包蔵地の範囲は約1万3000平方メートル。周辺で滑走路や駐機場などの整備を予定する。