【鹿児島県議選】無投票は19年から2減の7選挙区 1、2人区に集中 投票できなかったのは24万5000人に…合区議論再燃か

 2023/04/01 08:04
1枚しかポスターが貼られていない掲示板=3月31日、いちき串木野市
1枚しかポスターが貼られていない掲示板=3月31日、いちき串木野市
 3月31日告示された鹿児島県議選(21選挙区、定数51)の無投票当選は、7選挙区の計10人に上った。前回2019年と比べると、2選挙区・1人減ったが、有権者の18.4%に当たる24万5000人が投票できなかった。無投票となったのは全て1人または2人区。隣接区との合区の議論が改めて熱を帯びそうだ。

 県議選の1人区は11、2人区は6ある。このうち1人区は阿久根市・出水郡、いちき串木野市、南さつま市、南九州市の4選挙区、2人区は日置市、奄美市、姶良市の3選挙区が無投票だった。

 現行の区割り・定数となった11年以降、1人区と2人区で無投票になったことがないのは、薩摩郡区(1人区)と出水市区、西之表市・熊毛郡区(ともに2人区)しかない。

 1人区と2人区では、なり手不足に加え、現職が期数を重ねる中で地盤を固めていくため、新人が出馬しづらい状況がある。今回、1人区で擁立を見送った野党の役員は「(自民現職が当選する)結果が見えているから」と明かす。

 無投票が続くと、議会や県政に対する住民の関心が薄れるとして、有権者の中には合区や定数見直しを求める意見もある。

 志學館大学(鹿児島市)の原清一教授=政治学=は、合区されると地域代表を失う可能性があるとの見方を示す一方、「早期の解消は困難だが、あまりにも無投票が続くのであれば合区や定数見直しも考えられる」と指摘する。