国土交通省九州地方整備局は３１日、鹿児島港（鹿児島市）の２０～３０年後の将来像を示した中長期ビジョンを公表した。現在、新港区の１カ所しかない耐震強化岸壁について、谷山１、２区に増設する提案が盛り込まれた。

　耐震強化岸壁の増設は同ビジョン策定に向けて県、市、経済団体などの関係者が開催してきた勉強会でも要望が出ていた。地震などが起きた場合も物資の移出入の集中を避けられるのが理由。

　ビジョンでは、谷山１区と２区にそれぞれ耐震強化岸壁の整備候補地案が示された。同１、２区では洋上風力発電事業に絡む基地港湾としての可能性の検討なども提案された。

　耐震強化岸壁を含め、ビジョンの内容を実現するかどうかは、港湾管理者の県が判断する。