体は人間、頭はカンパチ…異色のご当地ヒーロー「カンパチロウ」、キレッキレのダンスで子どものハートつかむ

 2023/04/02 11:55
かのやカンパチロウ
かのやカンパチロウ
 特撮ヒーロー「仮面ライダー」は半世紀前の1971年4月3日に放送が始まった。国民的英雄の功績をたたえ、その人気にあやかりたい-。この記念すべき節目を一足先に祝おうと、鹿児島県の大隅半島で負けず劣らず活躍する“ご当地ヒーロー”を訪ねて意気込みと展望を聞いた。

 郷土愛を心に刻むきっかけになりたい-。そんな思いでピチピチ跳ね回る半魚人が、鹿屋市にいる。頭は市特産品「かのやカンパチ」、体は人間の「かのやカンパチロウ」だ。特技は躍動感ある振り付けが特徴の「カンパチダンス」。市PR特命係長として年間50本以上のイベントに登場する。

 3月下旬、同市の下名小学校。この日卒業する6年生18人のお別れ会に、カンパチロウが飛び入り参加した。市によると、カンパチロウのコミュニケーション手段は身ぶり手ぶりのみ。子どもたちのもとに駆け寄ると、頭をなでたり、肩をたたいたりして祝福の気持ちを表した。

 子どもたちにとってカンパチダンスは、運動会や夏祭りで何度も踊ってきた思い出深い一曲。音楽が始まると自然と隊列ができあがり、手足を大きく動かして笑顔を見せた。浜崎慶次郎君は「カンパチロウに会うとみんなが盛り上がる。鹿屋のスターだ」と喜んだ。

 カンパチロウの活動をサポートする市ふるさとPR課の池田健志さん(25)は「世界中で『鹿屋』を『かのや』と正しく読んでもらえる日が来るよう活動している」と代弁する。子どもたちと一緒に飛び上がって踊るカンパチロウの姿に「『鹿屋が好きだ』『いい故郷だ』と感じてもらえる存在を目指しているに違いない」と語った。