障害あっても諦めないで…元看護師は片手で扱える「バリアフリーアクセ」の認定講師に 患者を思い作り始めた

 2023/04/14 11:28
障害があっても楽しめる「バリアフリーアクセサリー」の制作をする渡辺美穂さん=鹿児島市山下町
障害があっても楽しめる「バリアフリーアクセサリー」の制作をする渡辺美穂さん=鹿児島市山下町
 おしゃれをすることを諦めないでほしい-。鹿児島市平川町の元看護師渡辺美穂さん(50)は、体にまひなどの障害があっても片手で作ったり、身に着けたりできる「バリアフリーアクセサリー」の制作に取り組んでいる。

 子育てが忙しくなったのを機に専業主婦になり、2016年からアクセサリー作りを本格的に始めた。一般的なネックレスやブレスレットの金具は両手でなければ扱えず、看護師時代は半身まひなどで身に着けることができない患者もいて、心が痛んだ。

 「看護師経験とアクセサリー作りを両方生かせる活動がしたい」と思っていたころ、インスタグラムでバリアフリーアクセサリーの存在を知った。留め具に磁石など使い着脱が簡単な上、軽い金属やパーツで作られ、長時間身に着けても疲れない。制作も片手でできるため障害がある人も楽しめる。

 オンラインで認定講師の資格を取る講座を受講し、22年夏に県内で初めて取得した。受講期間中に自宅で転倒し、二の腕や右手の薬指に大けがを負い片手での制作を余儀なくされたが、「無理なく続けることができた」。身を持って“バリアフリー”を実感し、今もリハビリを続けながら制作に取り組む。

 「一人でも多くの人に知ってもらい、障害の有無にかかわらず生きがいとしてファッションを楽しんでほしい」。インスタグラムでの発信やマルシェへの出店を通し認知度を高め、講師を目指す人向けの講座も開く。障害などがある人向けに自宅へ出向いて教えることも。問い合わせはインスタグラム(@wa_ta_19.12.2021)で受け付けている。