レンタル自転車のヘルメットどうしてる? 着用が努力義務に…運営自治体の対応割れる

 2023/04/27 11:00
南九州市の電動アシスト自転車シェアサイクル「茶巡(チャーリー)」=21日、同市の知覧平和公園
南九州市の電動アシスト自転車シェアサイクル「茶巡(チャーリー)」=21日、同市の知覧平和公園
 改正道交法で自転車利用者のヘルメット着用が1日から努力義務化され、「レンタルやシェアサイクルはどうなっているのか」という声が南日本新聞「こちら373」に寄せられた。事業を運営する鹿児島県内の自治体に対応を聞いた。

 南九州市は2022年4月、シェアサイクル「茶巡(チャーリー)」を始めた。市内5カ所に乗り降り場を設け、電動アシスト自転車計30台を配置。今年2月末までの11カ月間で約460人が利用した。

 ヘルメットの貸し出しはしておらず、今後も予定していない。市商工観光課は理由として、新型コロナウイルスの影響など衛生面の確保が難しいことを挙げる。

 今月24日にリニューアルし、215台の全車が電動アシスト付きとなった鹿児島市の「かごりん」も、ヘルメットを貸し出す予定はない。サイズの適合や衛生面の課題に加え、乗り降り場が27カ所あるため管理が難しいという。

 ヘルメットは安全確保に有効なのは言うまでもない。県警交通企画課によると、22年に県内で発生した自転車事故は300件。死者は3人、負傷者は294人で、死亡した3人はいずれもヘルメットを着用していなかった。

 鹿児島市環境政策課の平原陽子課長は「かごりんを利用する際は自分でヘルメットを準備し、着用してほしい」と求めている。

 一方、借りた場所で返却するレンタル自転車を01年から実施する南さつま市は、当初からヘルメットを無料で貸し出している。

 同市のサイクリングターミナル「りんりん」に自転車約100台と、子ども用など全3サイズのヘルメット約100個をそろえる。市観光交流課によると、着用の努力義務化を受け、利用者への呼びかけを強化したという。