馬毛島・自衛隊基地整備 工事契約額が予算超過 防衛省、不足分を在日米軍駐留関連費で支出 「やり方が不透明、国会軽視」衆院委で指摘

 2023/04/27 11:22
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
 鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備で防衛省は26日、2022年10月の係留施設と仮設桟橋の工事契約額(1240億円)が、22年度当初予算(契約ベース1129億円)を上回っているとの指摘を受け、超過分を在日米軍等駐留関連諸費で支出したと説明した。同省は「施設整備を着実に進めるため状況に最も適した形で執行した」とした。

 衆院財務金融委員会で田村貴昭議員(共産・比例九州)の質問に答えた。国土交通省の資料によると契約は22年10月で、仮設桟橋3カ所と係留施設整備の契約額が当初予算額を超えた。

 防衛省担当者は、国会の議決を経た22年度の在日米軍等駐留関連諸費(提供施設移設整備費)の範囲内だと強調。田村氏の「やり方が不透明で国会軽視ではないか」との懸念に木村次郎政務官は「恒久的なFCLP(米軍空母艦載機陸上離着陸訓練)施設の確保は安全保障上の重要課題。米軍再編関係経費から措置することは適切だ」とした。

 環境調査や詳細検討なども含む12~23年度の馬毛島基地整備の予算額は計7680億円に上る。基地の総経費を問われた木村政務官は「離島という極めて特殊な条件での大規模な工事。現時点で答えるのは困難」とした。