過去最多、74%の企業が賃金「引き上げる」 人手不足解消へ、上げ幅は3割が「3%以上」 2023年度・鹿児島県内

 2023/04/29 08:30
 鹿児島銀行と九州経済研究所(KER、鹿児島市)は28日、鹿児島県内企業の2023年度賃金改定計画に関する調査結果を発表した。賃金を「引き上げる」とした企業は前年度より11ポイント上昇して74%となり、03年度の調査開始以来最も高くなった。上げ幅も「3%以上」が大きく増え33%に達した。

 賃金を改定する要因(複数回答)は、「人手不足解消」がトップで67%。次いで「物価高騰」が53%。「自社の業績改善」は前年度から8ポイント減の19%にとどまった。KERの福留一郎経済調査部長は「会社としての収益が改善しない中でも、社員の生活やモチベーションを考え、引き上げに踏み切る企業が多かった」と分析した。

 引き上げ幅は「2~3%未満」が前年度比4ポイント増の33%と最多。「1~2%未満」は18ポイント減の31%。「3%以上」と答えた企業は33%で、前年の14%から大きく伸びた。

 引き上げ方法は、定期昇給が2ポイント増の81%。ベースアップが7ポイント増の44%。ベースアップの引き上げ幅は、「3000円以上」が全体の52%と半数を超えた。

 初任給を「引き上げる」から「引き下げる」を引いたDIは、高校卒が24ポイント増の46%、短大・専修学校卒が16ポイント増の40%、大学、大学院卒が20ポイント増の42%とそれぞれ大幅に上昇した。

 3月下旬に県内企業・業況調査の一環で実施。312社が回答した。