廃校跡はアニマルウェルフェアに配慮した次世代型牛舎へ 温度や湿度、風速を感知し制御 2層ファンで換気徹底 稼ぐ力向上へ来春オープン

 2023/05/06 21:02
臭気対策のため2層になったファン
臭気対策のため2層になったファン
 鹿児島県曽於市の県立財部高校跡地に2024年4月オープン予定の「南九州畜産獣医学拠点」(通称SKLV=スクラブ)の整備が順調に進んでいる。牛舎と鶏舎、校舎跡を改修した教育・研究棟は3月末に完成し、厩舎(きゅうしゃ)や屋外馬場などの施設は23年度内に完工の見込み。

 スクラブは同市と鹿児島大学が共同で整備。獣医師の育成に加え、食肉のブランド化や乗馬などを通して集客を図り、県全体の「稼ぐ力」の向上を目指す。

 特徴の一つが、快適にすごせるようアニマルウェルフェアに配慮した「次世代閉鎖型牛舎」。センサーで温度、湿度、風速の三つを感知し制御する。臭気対策として牛舎の壁に取り付けたファンで常時換気。さらに一定の風速を保つことで、病気を媒介するハエや蚊、アブなどがとどまれないようにする。屋内の様子はモニターで把握する。

 教育・研究棟には、学生の宿泊室や企業向けオフィスなども設ける。住民見学会を7月頃に開く予定。