道路に空いた穴が原因で事故、鹿児島県に賠償命じる 過失相殺の割合に不服、県は控訴

 2023/05/10 21:33
 鹿児島県志布志市の県道で2021年6月、ミニバイクを運転していた同市の男性が陥没した穴に車輪を取られ転倒、負傷したとして、約75万円の損害賠償を求めて県を提訴し、鹿児島地裁鹿屋支部が23年3月28日、約68万円の支払いを命じていたことが10日、分かった。県は判決を不服として福岡高裁宮崎支部に控訴した。

 判決は「陥没穴は雨による水たまりで埋もれ、男性が路上に穴があると予見すべきとまでは言い難い」と認定。一方で「制御可能な速度で走行すべき義務を怠ったことは否定できない」と損害賠償請求の1割を過失相殺した。県は「過失相殺の割合が妥当ではない」と4月11日付で控訴した。

 判決や県によると21年6月12日、男性のミニバイクが道路陥没による穴(長さ120センチ、幅90センチ、深さ不明)に車輪を取られ転倒。右足などに約2カ月のけがをした。男性と家族は22年2月、道路を管理する県を提訴。陥没の原因は分かっていない。

 県は10日開会した県議会臨時会で専決処分で控訴したことを報告した。