自衛隊基地建設中の馬毛島で遺跡調査始まる 旧石器時代の遺物確認や地形測量 鹿児島県教委

 2023/05/11 08:17
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)
 鹿児島県教育委員会は10日、米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備工事が進む西之表市馬毛島で、旧石器時代の「八重石(やえいし)遺跡」の記録保存に向けた発掘調査を始めた。初日は、専門職員2人と民間の作業員15人が島に入り、道具の運搬や現地確認を行った。

 調査は防衛省の依頼を受けた県教委が実施。範囲は遺跡一帯の「周知の埋蔵文化財包蔵地」約1万3000平方メートルのうち、工事の影響が及ぶ約8700平方メートル。悪天候で延期していた雑木の伐採なども並行しながら、埋もれた遺物や遺構の確認、地形測量をする。島内に仮設宿舎を確保できたため、作業員らは島に滞在しながら調査する。今後、50人程度をめどに増員する見通し。

 価値が高い遺構が見つかった場合は別途、保存方法を防衛省と協議する。7月1日までの予定だが、天候不良などで延長する可能性もある。