どんな音がお望み?「理想のギター」オーダーメードで製作 材料選びから全て手作業 霧島に工房、愛好家集う

 2023/05/13 21:20
工房で自作のギターを持つ永野恵介さん=霧島市国分福島2丁目
工房で自作のギターを持つ永野恵介さん=霧島市国分福島2丁目
 “理想のギター”をオーダーメードで作る工房が鹿児島県霧島市にある。民家を改装した店舗には、エレキギターやアコースティックギターがずらりと並ぶ。岐阜県出身で愛知県から移住した永野恵介さん(38)が、2020年4月にオープン。「こんな店が欲しかった」と市内外の愛好家が通っている。

 「要望とすりあわせながら、見た目も音も弾き心地もよく仕上げる」。それがモットーだ。

 材料の切り出し、加工、塗装、パーツ組み込み、最終調整まで全て手作業。1本を作るのに、早くて2~3カ月、平均で半年かかる。価格は23万円から。

 本体の材質や部品ひとつの違いで音が変わる。「音に張りが欲しい」「柔らかい演奏をしたい」といった求める音質や演奏スタイルを聞き取る。“理想”の実現に何が必要かを考え、完成させる。製作が本業だが、すり減った部品の交換や不具合など、修理や調整も引き受ける。「他店で断られたという依頼にも応じる。難しいと逆に燃える」

 新聞奨学生として新聞配達をしながら、大阪市の専門学校でギター製作を学び、長野のギターメーカー、愛知の自動車会社に勤めた。19年に妻の実家のある霧島市に移住。国分福島2丁目の親戚の空き家に工房を開いた。

 霧島市は、野外音楽フェス「WALK INN FES!」が開かれるなど音楽文化が盛ん。「演奏人口は多いのに専門店がなく、喜ばれた」と話す。自身も22年から地元のバンドグループでギターを担当している。

 来店時は要予約。問い合わせは「ミラージュ リーフ クラフトワークス」=0995(55)8990。

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