天狗の爪? 最大17センチ、三角形、のこぎり状の細かいギザギザ…体長15メートルの古代ザメはクジラにもかみついた! その名は「大きな歯」を意味するメガロドン

 2023/05/21 08:00
天狗の爪と呼ばれるメガロドンの歯化石。長さ15センチ。縁に細かい鋸歯がある。宮城県亘理町で1993年に採集した
天狗の爪と呼ばれるメガロドンの歯化石。長さ15センチ。縁に細かい鋸歯がある。宮城県亘理町で1993年に採集した
■サラリーマン化石ハンター・宇都宮聡さん

 メガロドンは1800万~150万年前に世界中の海に生息していた巨大なサメの仲間です。名前は「大きな歯」を意味します。

 昔はホオジロザメ属を指す「カルカロドン・メガロドン」という学名で呼ばれていました。その後、別系統という意見もあり、絶滅した古代ザメの名「オトダス」を付けた「オトダス・メガロドン」に変わっています。

 サメは軟骨魚類のため、骨が残りにくく、エナメル質で守られた歯が化石となって発見されることが多いのです。三角形で、のこぎり状の細かいギザギザ(鋸歯)があるのが特徴です。

 メガロドンの歯の化石で最大のものは17センチもあります。現在、海の捕食者の頂点にいるホオジロザメが体長4メートルほどであるのに対して、メガロドンは最大15メートルにもなったと想像されています。

 メガロドンが生きていた時代、海ではクジラの仲間が急激に種類を増やし、生息域を広げていました。メガロドンのかみ痕が残るクジラの化石が発見されていることから、常食としていたようです。クジラの繁栄ぶりに歯止めをかける存在でもあったのでしょう。

 メガロドンの歯は、日本で昔から発見されています。各地の寺や神社で「天狗の爪」として祭られているものもあるのです。

 埼玉県深谷市や茨城県北茨城市からは、同一個体と見られるまとまった歯などの化石が発見されています。北茨城市の標本は10センチを超える歯の化石が55本もあり、体長は10メートル超とみられています。南九州では宮崎県で報告例があります。実は私も、宮城県亘理町の新生代の地層から採集したことがあります。手のひらサイズの歯がバラバラと散らばっており、驚いたのを覚えています。

【プロフィル】うつのみや・さとし 1969年愛媛県生まれ。大阪府在住。会社勤めをしながら転勤先で恐竜や大型爬虫類の化石を次々発掘、“伝説のサラリーマン化石ハンター”の異名を取る。長島町獅子島ではクビナガリュウ(サツマウツノミヤリュウ)や翼竜(薩摩翼竜)、草食恐竜の化石を発見。2021年11月には化石の密集層「ボーンベッド」を発見した。著書に「クビナガリュウ発見!」など。

(連載「じつは恐竜王国!鹿児島県より」)

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