打ち上げ失敗したイプシロンロケット6号機 原因は姿勢制御装置の部品損傷、JAXAの確認不足も

 2023/05/20 11:00
 昨年10月のイプシロンロケット6号機の打ち上げ失敗について、文部科学省の有識者委員会は19日、機体姿勢制御装置の燃料タンク内の部品損傷が原因とする報告書をまとめた。原因究明の調査は終了した。

 報告書によると、燃料タンク内を仕切るゴム膜が製造時に損傷し配管を覆ったため推進薬が適切に流れなかった。打ち上げ実績のある部品に対し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の確認不足があったとも指摘した。

 JAXAが開発を進める「イプシロンS」も同じ燃料タンクを使用。1号機は2024年度の打ち上げを計画しており、設計変更かH2Aロケットの燃料タンクを活用する方法を検討している。

 6号機は2022年10月12日に鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から発射。姿勢異常が確認されたため、6分半後に指令破壊した。フィリピン東方沖に落下したとみられる。