好奇心旺盛な91歳 新聞コラムを毎日書き写す「ひそかな楽しみ」とは

 2023/05/21 20:30
書斎のデスクで市販の専用ノート「南風録スクラップ帳」を開く幸山忠蔵さん=伊仙町目手久
書斎のデスクで市販の専用ノート「南風録スクラップ帳」を開く幸山忠蔵さん=伊仙町目手久
 鹿児島県伊仙町目手久の幸山忠蔵さん(91)は、南日本新聞1面コラム「南風録」を毎日書き写すのが日課だ。「県内の今話題のニュースがことわざを交えて解説されていたりして勉強になる」と、愛用のシャープペンシルを握り2015年8月から続けている。専用ノートは5月、94冊目に入った。

 幸山さんは、長く続けるコツを「こだわり、楽しむこと」と話す。ペン芯は「折れず滑らかに書けるから」とBの0.7ミリを使用。「高根の花」など、借字を当てる新聞用語を見つけて市販の記者ハンドブックで確認するのもひそかな楽しみだ。

 ひと仕事を終えれば、ハーモニカで昭和歌謡や演歌を吹き、集中により疲れた心を静めている。

 新聞は経済面も読む。「イノベーション(技術革新)に興味がある」と言い、関連記事はスクラップブックで保管する。最近は対話型の人工知能(AI)「チャットGPT」を貼った。

 「新聞は好奇心をかき立てられて楽しい」。左手首でスマートウオッチが光った。