イオやエンケラドスもくっきり! デジタル四次元地球儀 人気です JAXAやNASAの画像データ反映、天体を立体的に投影 県立博物館

 2023/05/22 17:33
手元のコントローラーを操作して投影された月を見る来館者=鹿児島市の県立博物館別館
手元のコントローラーを操作して投影された月を見る来館者=鹿児島市の県立博物館別館
 鹿児島県立博物館は、宝山ホール4階の別館で、直径約2メートルある半球体のスクリーンに天体を映し出す「デジタル四次元地球儀」を常設展示している。太陽系の惑星と衛星の9種類。地図のように平面で表示するのと比べてゆがみが抑えられ、より正確な形と位置関係で天体を見ることができるという。

 見学者が手元のボタンを押すと、約1メートル先に突き出た半球体のバルーンに天体が浮かび上がる。スクリーンには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米航空宇宙局(NASA)による画像データなどが反映されている。「デジタル四次元地球儀」を運営する京都大学などのチームが素材提供しており、館の職員がダウンロードしてデータを更新しているという。

 投影されるのは、JAXAの衛星「だいち」による森林の分布図や、街明かりがともる宇宙から見た地球の夜景、木星や土星といった惑星や月など。観測する天体の切り替えがボタン一つででき、手元のコントローラーで自由に動かして楽しめる。

 月の極地付近や、赤い目玉を思わせる木星の「大赤斑」もくっきり。イオやエンケラドスといった衛星の表面も観察できる。同館の片野田裕亮学芸主事は「肉眼では捉えられない天体の裏側も見ることができる。新たな発見があるはず」と話した。